UIターン#15/9月「子どもも、仕事も」<DOORの先>

UIターン#15/9月「子どもも、仕事も」<DOORの先>

ドアを開いた人たち

山口 宏明さん(福島市出身。2020年6月、横浜市からUターン。1児の父。元システムエンジニア)

🔶知識や経験 地域のために

 福島に戻ってきて6年、仕事にはだいぶ慣れましたが、農家の減少や物価・仕入れコストの上昇などもあり、会社の業績は決して順調ではありません。これからは、前職のシステムエンジニアとして身に付けたITの知識を生かし、社内業務のDXによって効率化を図り、円滑な事業承継につなげたいと考えています。

 また、仕事を通じて関わる農家さんの力にもなりたいです。以前、知り合いの農家さんが人手不足で困っていた時に、人材マッチングサービスの利用を手伝いました。無事に繁忙期の人員を確保することができ、とても喜んでもらえました。

 自分がこれまで身に付けてきた知識や経験は、会社のためだけでなく、身近な人の困りごとの解決にも生かせました。前職で得た知識や経験を福島で生かす方法があるのだと知りました。これからも、自分のできる範囲で、家業や地域の役に立ちたいと思っています。

 暮らしの面では、横浜にいた頃よりワークライフバランスは良くなりました。定時に仕事を終えて、明るいうちに自宅に帰り、夕飯までの間に公園で子供と遊んでいます。正直、毎日のように「公園に連れて行って」と言われるのは、体力的につらいです。でも、子どもが大きくなれば、「一緒に遊ぼう」とは言われなくなると思います。そう考えると、今はできるだけ一緒に遊んで、やりたい事をやらせて、すくすく成長してほしい。そんなふうに思っています。

🔶地方で働くということ

 中小企業の経営者と話していると、人手不足で、求人を出してもなかなか人が集まらないという話をよく聞きます。給与面では、都市部の企業ほどの条件を提示できない会社も多いと思います。ただ、仕事だけではなく、暮らし全体で考えれば、地方で働くという選択肢もあるのではないかと思います。

 例えば、私は親戚や知り合いから野菜や果物をよくもらいます。福島ならではの文化なのか、都市部より家庭菜園をしている人が多いからなのか、食べきれないくらいもらうこともあります。それを今度は別の知り合いにおすそ分けしたりして(笑)。こういう人とのつながりは、福島の良いところだなと改めて感じています。

 もちろん、いい面ばかりではありません。雨の日も雪の日も外で働かなければならず、横浜にいた頃より体調を崩すことも増えました。遊園地や大型ショッピングモールなどは、横浜ほど身近にはありません。日常生活には困らなくても、非日常を楽しめる娯楽の選択肢の多さという面でも都市部のほうが充実していると思います。

🔶納得できる選択をしたい

 子どもが大きくなれば、今の生活に物足りなさを感じるかもしれません。また、仕事の都合で環境を変える必要が出てくるかもしれません。そのとき、自分たちにとって納得できる選択ができれば良いと思います。必要に応じて引っ越すことも選択肢の一つとしてありだと思うのです。

 大事なのは、その時の自分や家族にとって、どんな暮らしがしたいのかを考えることだと思います。ただ、今は、家族で楽しく暮らせる福島で、子どもの成長を近くで見守りながら、自分にできる仕事をしていきたい。そう思っています。(山口さんのストーリー終わり)(20260917)

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※tenten 結婚や、パートナーやご自身の転勤、そしてUターン等により地域に転入した方々(主に女性)の転入後の暮らしのサポートを行う団体です。転入・転勤・Uターン者が「来てよかった」「戻ってきてよかった」と思える社会を作るために、私たちは地域に来た女性の入口となり、居場所と役割をもって自分らしく一歩を踏み出せるきっかけをデザインする活動を行っています。詳しくはこちらのWEBサイトをご覧ください。
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福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイトも運営しています。
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