若い世代の声
東日本大震災の教訓と福島の現在(いま)を次世代へつなぐ、福島民報社主催の参加型プロジェクト「15歳のバトン」が8月31日、本格始動する。公式スマートフォンアプリを一般公開して、本県ゆかりの著名人らによる応援メッセージなどを順次公開していく。県内の全高校を巡る「リアルバトンリレー」も開始する。デジタルとリアルの交流を通じ、震災を知らない世代とともに福島の歩みを全国へ届ける。
公式アプリはプロジェクトの核となるプラットフォーム。プロジェクトの公式サイト(15baton.jp)内にダウンロードの案内が更新され、一般公開を開始した。全国から寄せられているメッセージを紹介するほか、プロジェクトに賛同した郡山市ゆかりのボーカルグループ「GRe4N BOYZ(グリーンボーイズ)」、漫画「クローズ」「WORST」の作者で会津坂下町出身の高橋ヒロシさん、伊達市出身のタレント長沢裕さんらのメッセージを順次掲載する。
全国から1万通を目標に募るメッセージを基に、福島の歩みと未来への思いを込めた合唱曲も制作する。3年間の活動を通じて集まった言葉を歌詞に盛り込み、震災の教訓を歌として語り継ぐ計画だ。
9月1日には県内全88高校を対象とした「リアルバトンリレー」が幕を開ける。県北、県中・県南、会津、浜通りの4地点から同時に出発し、福島、安積、磐城、会津の各高からメッセージ投稿用のQRコードを印字したバトンを順次手渡していく。このうち県北の起点となる福島高では、生徒会長の阿部哲士さん(2年)がバトンを手に、副会長の栗原然さん(2年)、書記長の三浦咲優さん(1年)とともに「大震災の記憶は時間の経過とともに薄れていくかもしれないが、私たちが後世に伝えていく必要がある」と思いを語った。
生徒はリレー形式でバトンを受け継ぎ、それぞれの震災への思いや未来への希望を専用サイトに投稿する。3年後の2029(令和11)年3月には、4本のバトンとメッセージを双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館に寄贈する予定だ。バトンの巡回状況は特設サイト内の地図で確認できる。
8月上旬に、県内の高校生が被災地を訪れる「高校生被災地視察プログラム」を実施した。アプリでは、高校生による視察の報告や感想などを順次公開する。本紙の震災記事データベースを活用した「対話型AI(人工知能)チャットボット」など、10月1日の開始を目指して準備を進めている。震災と福島の歩みを学べる伝承ツールとして公開する。(20260831)



