転入女性のtentenだよりNo90 自分だけのお宝探して ”お古”がつなぐ思いやり、「すかがわ軒先市」

転入女性のtentenだよりNo90 自分だけのお宝探して ”お古”がつなぐ思いやり、「すかがわ軒先市」

ドアを開いた人たち

  須賀川市に移住して良かったと思うことのひとつが、小さな個人店が元気ということです。昔ながらの老舗店はもちろんですが、須賀川の魅力は、何と言っても新しくできた店が頑張っているところ。センスのいい雑貨屋や飲食店が多く、街を歩いていても飽きることがありません。
 そんな素敵な個人店が協力して、数年前からはじまった取り組みがあります。その名も「すかがわ軒先市」。毎年3月・6月・9月の第4土日に開催され、売り物としては出せないけれど「まだまだ使えるアイテム」を軒先に置いて、お安くお譲りするイベントです。言い換えれば、各店舗で開かれる軒先フリーマーケット。掘り出し物を見つける楽しみが醍[だい]醐[ご]味[み]です。
 ほんの数店舗からはじまった軒先市も、今では20店舗ほどが参加するまでになりました。須賀川の中心エリアだけでなく、最近では西部の長沼や岩瀬地区にも広がり、市全体を盛り上げるイベントに成長しつつあります。
 軒先市の素晴らしい点は「持続可能なこと」です。大きな会場を使うのではなく、それぞれの店主が自分のスペースで、できる範囲で開催する。そして「不要になったけれど、まだ使える」という視点で選ばれた“お古”を、次の人へつなぎます。ただ不用品をお金に換えるのではなく、次に使う人のことを想像する。そこには、小さな“思いやり”があるように感じるのです。
 かつてデンマーク留学中に足しげく通っていた「セカンドハンドショップ」でも、似た光景を目にしたのを覚えています。営利を第一とせず、地域の高齢者で運営される店もあるなど、そこには「使えるものを大切に」という精神が暮らしの中に息づいていました。
 ともすると日本では「新しくてピカピカ」なものに価値が置かれがちです。しかし、使い古されたものも見方を変えれば思いがけない良さがあります。その“味”を感じられる自分でいたら…もっと人生は豊かになるのかもしれません。
 次回開催は、26日(土)・27日(日)。ぜひ“自分だけの宝物”を探しに「すかがわ軒先市」へ足を運んでみてください。
(福島の転入女性が暮らしの情報を発信するサイト「tenten」ライター・佐藤美郷。2026年9月24日付情報ナビtimeプラスより転載)


 tenten(てんてん)だよりは、転勤や結婚などをきっかけに福島県内に引っ越してきた女性が転入者の目線で発見した福島の魅力などをつづっているコラムです。定期的に紹介しています。

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