『転入女性のtentenだより』若松で知った「納豆餅」

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『転入女性のtentenだより』若松で知った「納豆餅」

福島アンテナ

 お正月を地元で過ごした方は、久しぶりに味わう実家の料理に舌鼓を打ったことでしょう。しかし、自分が当たり前だと思っているものが、実は地域特有の食文化であることは少なくありません。身近な食材でも、組み合わせ次第で未知の食べ物に出会ったような衝撃を受けることがあります。私にとって、福島県の会津地方で出会った「納豆餅」は、まさにそんな驚きを与えてくれる料理でした。

 私が初めて納豆餅を目にしたのは、会津に来て1年目、会津若松市内の幼稚園で教諭として働き始めたばかりの頃でした。仕事始めの日の給食は、食育に力を入れている園らしく、お正月のお餅が振る舞われました。配膳をしようとしたとき、私は目の前の光景に思考が止まりました。そこには白くてツヤツヤのお餅と並んで「納豆」が堂々と置かれていたのです。私の地元・秋田県では、お餅といえばお雑煮やあんこが定番で、これほど地域性を感じさせるユニークな食べ方はあまりありませんでした。

 混乱した私は「お餅に納豆を乗せるのですか?」と近くの先生に尋ねました。すると「ええ、かけるのよ」と当然のように答えが返り、目の前で餅に納豆がかけられました。初めて見る光景に目を丸くしましたが、会津っ子たちは元気なあいさつとともに、おいしそうに納豆餅を頰張り始めました。その姿に感化されて私も食べてみると、少し甘めの味付けがお餅の食感と絶妙に合い、そのおいしさを存分に堪能することができました。

 この体験をSNSで発信すると、転入者からは驚きの声が相次ぎましたが、地元の友人からは「全国区じゃないの?」と逆に驚かれ、文化の差を実感しました。さらには「ひきないり」や「キャベツ餅」といった他の食べ方も知り、お餅の万能さを再発見したのです。お正月を過ぎてお餅が余っているなら、ぜひいろいろな食べ方を試して、自分なりの定番を見つけてみてください。
(福島の転入女性が暮らしの情報を発信するサイト「tenten」会津サポーター・成田あかり。2026年1月29日付情報ナビtimeプラスより転載)

 tenten(てんてん)だよりは、転勤や結婚などをきっかけに福島県内に引っ越してきた女性が転入者の目線で発見した福島の魅力などをつづっているコラムです。これから定期的に紹介していきます。

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