UIターン#17/10月「私の居場所ってどこ?」<帰郷>

UIターン#17/10月「私の居場所ってどこ?」<帰郷>

ドアを開いた人たち

馬藤 有希恵さん(会津若松市出身。8年前にUターンし、石川県出身の男性と出会い結婚。5歳、2歳の男の子と4人暮らし。高校教員。40歳)

🔶「幸せとは何か」を考えた

 高校卒業後は千葉県の大学、大学院へ進み、国際交流や国際協力、異文化間コミュニケーションについて学びました。アメリカ留学も経験し、大学院では英語の教科書について研究しました。大学院在学中に高校の非常勤講師の話をいただき、二足のわらじを履く生活を送っていました。大学院修了後は千葉県の私立高校に就職し、担任も務めました。

 20代は駆け抜けるように過ぎていきました。そんな中で「いつか会津に帰るのだろうか。私の居場所ってどこなのだろうか」と考え始めたのは20代後半に担任をしていた生徒たちが卒業したころでした。20代のうちにやりたいことをリストにして、「ハワイでスカイダイビングをする」「カンボジアで英語を教える」という2つの目標を立てました。そして29歳の時、その2つを達成しました。カンボジアの、ガスも水道も電話も通っていない小さな村での経験は幸せとは何かを考える大きなきっかけになりました。このまま現地スタッフとして働きたいと思ったほどです。

 しかし両親に相談したところ、母から「会津に帰ってきたら」「もう十分、千葉で頑張ったよ」と言われました。その言葉が力強く私の背中を押してくれ、会津に帰ることを決めました。キャリアや家族のことなど、心配なこともたくさんありました。Uターンしたばかりのころは、帰ってきたことに喜んでくれた友人から地元の情報を教えてもらったり、ten ten caféで同じ境遇の人がどんな思いで暮らしているか聞いたりしていました。「会津に帰ってきてよかった」と思える材料をひとつひとつ探していたのだと思います。その後、夫と出会い、結婚、妊娠と、30代に入って大きくライフステージが変わり始めました。

🔶自分の経験を生徒に伝える

 会津で再スタートを切り、地元での教員生活が始まりました。言語を学ぶということは、自分の意思を伝えるだけでなく、相手の思いや考えに触れることでもあります。人と人をつなぐ大切なツールだと考えています。大げさかもしれませんが、日常会話から平和についてまでも考える授業づくりを意識しています。世界では何が起きていて、何を学び、今後どのように生きたいか。そんなことを考えるきっかけとなる授業ができればと日々思いながら生徒たちと触れ合っています。

 自分の経験を生徒たちに伝え、いつか、本当にいつか私が年齢を重ねても、この情熱が消えずに残っていたら、いつかかなえたい夢があります。「国境なき教師団」のような活動に携わる仕事がしたいと頭の片隅で考えています。「やらないで後悔するより、実行して反省する」。自分の中にあるエネルギーを、どこかで誰かのために生かせればうれしいです。(つづく)(20261015)

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※tenten 結婚や、パートナーやご自身の転勤、そしてUターン等により地域に転入した方々(主に女性)の転入後の暮らしのサポートを行う団体です。転入・転勤・Uターン者が「来てよかった」「戻ってきてよかった」と思える社会を作るために、私たちは地域に来た女性の入口となり、居場所と役割をもって自分らしく一歩を踏み出せるきっかけをデザインする活動を行っています。詳しくはこちらのWEBサイトをご覧ください。
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福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイトも運営しています。
https://tenten-f.info/