福島アンテナ
「高貴、優雅、はかなく美しい」私の白鳥へのイメージはこうでした。白鳥に接する機会といえば、TVの向こうで「今年も白鳥が飛来しました」というニュースを聞くくらい。雪景色をバックに、水面で羽を広げて浮かぶ、絵になる姿。香川県出身の私には、まるで遠い異国の話を聞いているような感覚でした。
福島県に移住し初めての冬、磐梯熱海町へ行く道すがら、稲の刈られた茶色い田んぼの中に白い点々を見つけました。何かと思い近づいてみると、何と鳥の大群です! 泥にまみれながら、田んぼで一心不乱に餌を探している白っぽい鳥。気になったのでご近所の方に聞いてみると、なんと白鳥とのこと! イメージと違い過ぎて思いつきもしませんでした。庶民的!野生味あふれる姿!鳥としては自然な行動ですが、架空の存在とさえ思っていた私には驚きの光景でした。
郡山の開成山公園で子供と遊んでいた夕暮れ、頭上から「クェークェー!」と何とも言えない鳴き声が聞こえました。でかい声の鳥だなぁと思ってよく見ると、なんと白鳥ではないですか!声でかい!!数匹が隊列を組んで飛んでいる姿。か細い声ではなく、よく通る野太い声に、姿が見えなくなるまで目が離せませんでした。
白鳥のことを知らなさすぎるため、少し調べてみると10月下旬~11月頃に日本に飛来し、3月頃には北帰行するとのこと。よく見かけるのは、約4カ月滞在するからなんですね。2025年環境省のハクチョウ類の飛来数調査によると、1位は新潟県、福島県は5位でした。福島県には数十カ所白鳥飛来地があり、2024年、福島県の調査によると100羽以上観測された地点は16カ所。至る所で見かけてもおかしくないと納得しました。湖に飛来するものと思っていましたが、川や田など餌となる落ちた穂や水草が豊富にある場所に来るようです。
「身近で、生命感にあふれ力強い、でもやっぱり絵になる鳥」。私の白鳥へのイメージは大きく変化しました。もうすぐお別れの時、来年も無事にわたってきて欲しいな。まだまだ福島の寒さに慣れない私ですが、来年も白鳥たちのたくましい姿を見られると思うと冬が待ち遠しいです!(福島の転入女性が暮らしの情報を発信するサイト「tenten」ライター・福田美子。2026年2月26日付情報ナビtimeプラスより転載)
tenten(てんてん)だよりは、転勤や結婚などをきっかけに福島県内に引っ越してきた女性が転入者の目線で発見した福島の魅力などをつづっているコラムです。これから定期的に紹介していきます。
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