福島アンテナ
紺野美史さん(伊達市出身、福島市在住。2022年3月、東京都からUターン。2児の母)
🔶自由に働く
福島にUターンしてからは一般社団法人tentenという団体で、転入してきた女性同士をつなげたり、地域を知ってもらう活動に関わっています。その活動の中で、地域で様々な仕事をしている人に出会って、こんな働き方があるんだ、と驚くことが増えました。東京では組織に所属していないとできないことが多いと感じていましたが、福島ではイベントを企画したり、起業したり、自由に働いている人が多い印象です。
その中の一人が福島の絹文化を守るために昔ながらの養蚕を続けている先生でした。我が家は毎年お蚕さまを育てるようになり、今年で3年目。実は福島で養蚕が盛んだったことは何となく知っていましたが、小さい頃にお蚕さまを見たのは一度だけでした。育ててみると桑の葉をサクサク食べてぐんぐん成長するお蚕さまがかわいくて、すっかりはまってしまって。子どもたちも最初は怖がっていましたが、今では顔にお蚕さまを乗せられるくらいに。私も大それたことはできないけれど、これからも関わり続ける一人でありたいなと思っています。
🔶意外と楽しい福島
正直、子どもが小学生になると、このまま福島で過ごすべきなのか迷うこともあります。学校や習い事の選択肢は明らかに都会の方が多いので、またどこかに移動する理由ができたら遊牧民のように移動するのかもしれません。でも福島に戻ってきてから、今までは何とも思っていなかっただけで、実は楽しいことがごろごろ転がっていました。別に東京の真似をしなくてもいいんだと気づきました。田植えや稲刈りを体験してからの白米のうまさと言ったら、もう最高!これを知っているだけでも豊かだと思います。私が幼少期にしてもらったように、子どもには親戚や地域の人に囲まれて過ごしてほしいし、福島だからできることをたくさん経験して、「意外と楽しい福島」を楽しんでほしいです。
🔶戻れる場所がある、という感覚
福島には何もないと感じていたし、外の方が面白いと思っていました。実際に福島の外に出てみて、それは間違いではなかったと思います。東京で働いたことも、海外で暮らしたことも、私にとって必要な時間でした。ただ、福島はつまらない、というのは私が面白く見る方法を知らなかっただけかもしれない。若い頃はどんどん外に出て、世界を見たほうがいいと思います。ただ、どこかに戻れる場所がある、という感覚は、とても心強いものです。もしかしたら人生のどこかで「福島がいいな!」と思えるタイミングがあるかもしれません。私にとっては子どもを育てる時期でしたが、別の誰かにとっては、仕事や挑戦のタイミングかもしれない。今はまだ必要なくても、どこかにそういう場所があることを、頭の片隅に置いておくのも悪くないのではないかと思っています。(紺野さんのストーリー終わり)(20260528)

※tenten 結婚や、パートナーご自身の転勤、そしてUターン等により地域に転入した方々(主に女性)の転入後の暮らしのサポートを行う団体です。転入・転勤・Uターン者が「来てよかった」「戻ってきてよかった」と思える社会を作るために、私たちは地域に来た女性の入口となり、居場所と役割をもって自分らしく一歩を踏み出せるきっかけをデザインする活動を行っています。詳しくはこちらのWEBサイトをご覧ください。
https://tentent.info/
福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイトも運営しています。
https://tenten-f.info/

