手焼きの技をデータで継承へ

タグ: ふくしま産業賞 山中煎餅本舗
手焼きの技をデータで継承へ

はたらく

 喜多方市の老舗煎餅店である山中煎餅本舗は、たまりせんべいを炭火で手焼きする伝統技術を数値データ化する取り組みに乗り出しました。

 カルビーグループでスナック菓子の製造・販売を手がけるジャパンフリトレーが協力しています。職人の技を「見える化」させることで、後継者を育成しやすい環境を整えます。

 山中煎餅本舗は1900(明治33)年創業で、現在は2人の職人がせんべいを製造しています。しかし、焼き加減や裏返しのタイミング、乾燥時間などは全て職人の経験に頼っており、せんべいをふっくらと焼き上げる技術の継承に課題を抱えているそうです。さまざまな工程を数値データで示すことで技術を分かりやすく伝え、担い手不足の解消を目指していきます。

 7月25日、ジャパンフリトレーM&S本部開発部長の伊藤政喜さんらが山中煎餅本舗を訪れました。職人がせんべいを焼く様子を動画で記録したり、実際にせんべいを炭火で焼いたりして工程を確認しました。今後、約1年かけてデータを集め、分析を進める予定です。

 代表の渡部ひとみさんは「データを活用し後継者育成につなげたい」と展望を語っています。伊藤さんは山中煎餅本舗がせんべい生地を仕入れている山形県東根市の工場も回り「炭火で手焼きするせんべいは貴重。可能な限り協力していきたい」と話しました。

 山中煎餅本舗は、ふくしま産業賞10回を記念して設けた夢スタートアップ賞を受けています。福島民報社、とうほう地域総合研究所(とうほう総研)、県信用保証協会が来年3月まで経営を後押ししていきます。

画像