大堀相馬焼の窯元「錨屋窯」 浪江で工房再開

大堀相馬焼の窯元「錨屋窯」 浪江で工房再開

ドアを開いた人たち

震災・原発事故15年 産地復活へ

 国の伝統的工芸品・大堀相馬焼の窯元「錨屋[いかりや]窯」は5月30日、浪江町大堀地区で工房を再開する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による避難を経て15年ぶりに古里に戻る。代表の山田慎一さん(55)は「再び大堀で」との思いを胸に避難先で作陶を続けてきた。「産地として復活していく姿を多くの人に発信したい」と意気込みを語る。
 震災前に自宅兼作業場を構えていた土地にギャラリーと工房を新設した。かつて倉庫だった建物は改修し、作品展や陶芸教室が開催できるスペースとした。焼き物の特徴である「青ひび」を出すのに欠かせない釉薬[うわぐすり]の原料となる鉱石「砥山[とやま]石」は大堀産を使用し、食器類などを制作する。
 避難先の白河市に2021(令和3)年に構えた白河工房とともに2拠点で作陶に当たる。2024年から山田さんに師事する浪江町地域おこし協力隊員の柳沼知樹[かずき]さん(30)は「商品として世に出せるよう腕を磨きたい」と新工房でも修行に励む。山田さんは「大堀の歴史や復興の歩みを感じ取れるような場所に育てたい」と誓う。
 震災前、大堀地区には20軒以上の窯元があった。現在、約半数が県内外の避難先で再開している。地区内で窯元を再建するのは、2024年に帰還した陶吉郎窯に続き2例目となる。(20260527)

【写真説明】 浪江町大堀地区に構えた新たな工房で、伝統継承を誓う山田さんと柳沼さん(右)

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