荒廃した山林 昆虫採集場へ 田村市「聖地化」推進

荒廃した山林 昆虫採集場へ 田村市「聖地化」推進

福島アンテナ

 昆虫で地域活性化を目指す田村市は市民が所有する荒廃した山林などを借り受け、昆虫採集場として再生する事業を始める。多様な命が輝く里山を増やし、市民と協力しながら「昆虫の聖地化」を進める。6月17日、市役所で開いた記者会見で計画を発表した。
 市は手入れが行き届かない場所の木々や草花を手入れし、昆虫がすみやすい里山に再生する。今年度は場所の選定などを調査し、来年夏の供用開始を目指す。
 市は2023(令和5)年に庁舎内に仮想部署「昆虫課」を設置し、市内の観光施設「ムシムシランド」とともにカブトムシなどの昆虫や豊かな自然の魅力を発信してきた。今年度は市民の協力を得て「田村市=昆虫の聖地」となるような誇り「シビックプライド」を醸成させていく。将来的に、里山再生や昆虫採取などのボランティアも育成し、官民連携で盛り上げていきたい考え。
 市は写真を活用した広報宣伝も強化する。昆虫フォトコンテスト企画し、交流サイト(SNS)で情報を発信してもらう。昆虫PR動画を作成する。昆虫に関連するタペストリーフラッグを制作し、市内の商店街の街頭に掲揚し、市全体の雰囲気を盛り上げる。
 白石高司市長は「昨年は大阪・関西万博にミニカブトムシドームを展示するなどして成果を上げた。レガシーを継承し、発展させ、福島復興の歩みや市の魅力を国内外にアピールしていきたい」と力を込めた。

■繁殖に成功 ヘラクレスオオカブト披露
 記者会見で、ムシムシランドで繁殖に成功したヘラクレスオオカブトが披露された。市とムシムシランドを運営する市常葉振興公社、福島民報社で取り組んできた。
 世界最大級のカブトムシで立派な2本の角を持つのが特徴。石井大樹施設長が、飼育の秘訣や苦労などを紹介した。一昨年に114匹、昨年75匹が生まれ、順調に成長しているという。
 ヘラクレスオオカブトは、施設のオンラインショップで購入できるほか、市のふるさと納税の返礼品としても扱われている。
 27日には市内で全国クワガタサミットを開催する。ムシムシランドでは7月11日に今年度のカブトムシドームオープン、9月19日にヘラクレスドームのオープンを予定している。(20260618)

【写真説明】 羽化したヘラクレスオオカブトを手にする白石市長(右)とカブトン課長

画像