転入女性のてんてんだよりNo87 夏の楽しみ 本物のホタルに大興奮

転入女性のてんてんだよりNo87 夏の楽しみ 本物のホタルに大興奮

ドアを開いた人たち

 田植えが終わり、夏の足音が近づく頃になると、我が家では私と子どもたちが毎年楽しみにしている光景があります。
 7年前の7月、私たち家族は東京から湯川村へ移住してきました。当初は生活環境の変化や、子どもたちが新しい土地になじめるよう支えることに精一杯で、気付けばあっという間に雪の季節を迎えていました。
 そして訪れた春。雪解けとともに一斉に花が咲き、木々が芽吹き、景色全体が色づき始める鮮やかな変化に、私は驚きました。東京に住んでいた頃も、意識して自然に触れてきたつもりでしたが、目の前の景色がまるごと生まれ変わるような瞬間を見るのは初めての経験でした。
 農作業が始まり、田んぼに水が張られると、今度はまるで美しい湖のほとりような景色が広がります。移住してから、私は何度も季節ごとに表情を変える自然に驚かされました。
 そんな中でも、特に忘れられないのが移住から1年が経とうとする6月の夜のことです。
「そろそろかな」と夫が庭へ出ていくと、すぐに追いかけた子どもたちの歓声が響き、「ママ、早く来て!」と私を呼ぶ声がしました。
 外へ出て用水路の方へ向かうと、暗闇の中に小さな光がチカチカといくつも見えました。東京生まれ、東京育ちの私と子どもたちにとって、人生で初めて目にする本物のホタルの光でした。
 湯川村で育った夫には当たり前の夏の風景だったようですが、自宅の庭でホタルが見られるなんて信じられなかった私は、大興奮で東京の母や友人に写真や動画を送りまくったのを思い出します。
 後から知ったのですが、湯川村の中でも私たちの暮らしていた三川地区は、用水路などにホタルのエサとなるカワニナが多く生息し、毎年ホタルが見られる場所なのだそうです。
 「子どもたちを自然の中でのびのび育てたい」という漠然とした思いから決めた会津への移住でしたが、想像もしていなかった美しい光景に何度も出逢いました。この光景が、いつか大人になった子どもたちの心の中にあたたかな原風景として残ってくれたらいいなと思います。
(福島の転入女性が暮らしの情報を発信するサイト「tenten」会津サポーター・岩沢朝美。2026年6月25日付情報ナビtimeプラスより転載)

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tenten(てんてん)だよりは、転勤や結婚などをきっかけに福島県内に引っ越してきた女性が転入者の目線で発見した福島の魅力などをつづっているコラムです。定期的に紹介しています。

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