震災後浜通りで初期研修の医師 半数今も県内に勤務

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震災後浜通りで初期研修の医師 半数今も県内に勤務

はたらこっと

 金田さん(常磐病院研修医)動向調査

 いわき市の常磐病院に勤務する研修医金田侑大さん(29)は、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故発生後に浜通りの病院で初期臨床研修を受けた医師の動向を調べた。研修後の勤務先が確認できた29人のうち、約半数の14人が今も県内で医療に従事していた。金田さんは「被災地での勤務が自信や誇りにつながり、県内に残る選択を促したのではないか」と分析している。

 病院の広報誌や学会記録を元に2013(平成25)年から2025(令和7)年の状況をまとめた。動向がつかめた公立相馬総合病院の20人、南相馬市立総合病院の30人、常磐病院の11人を調査対象とした。県内で医療に携わるのを確認した14人の他、県内の病院に非常勤として勤める医師や、福島医大大学院に在籍する医師がいることも分かった。
 常磐病院の外科医・沢野豊明さん(36)=神奈川県出身=は県内に残ることを決めた一人。千葉大医学部卒業後の2014年から南相馬市立総合病院で初期臨床研修を受けた。Uターンも考えたが、被災地に身を置き経験を積むことにやりがいや意義を感じた。「医師が少ない地域だからこそ、若いうちから責任ある役割を任される」と語る。経験する症例が多岐にわたり、早期の成長につながると考えている。
 調査結果について、県医療人材対策室の八木橋大祐主幹は「震災前の水準には達していないものの、県内の医師数は着実に増えている」と受け止めている。
 震災と原発事故発生後、浜通りを勤務先に選ぶ医師が減少したことを受け、国は2012年に公立相馬総合と南相馬市立総合の両病院、2021年に常磐病院を「基幹型臨床研修病院」に指定。新人医師が2年間、現場の基礎を身に付ける初期臨床研修を行えるようになった。

■福島医大出身の浜通り研修者増
 金田さんの調査によると、浜通りで研修に臨む福島医大出身の医師は徐々に増えている。
 期間、病院ごとの割合は【表】の通り。震災発生後初期の5年間(2013~2017年)に南相馬市立で研修を始めた12人の中に、福島医大出身者はいなかった。公立相馬総合も6人中2人にとどまった。直近4年間に3病院で研修を開始した29人のうち14人が福島医大出身となった。
 常磐病院で金田さんを指導する医師尾崎章彦さん(41)は、「浜通りでの研修は覚悟を伴う選択ではなく、一般的な選択として地元の学生に広がったのではないか」と見ている。(20260627)