福島アンテナ
熊本で馬刺しを食べたことはありましたが、会津でも馬刺しが食べられていることは福島に転入して来るまで知りませんでした。
会津の馬刺しに初めて出合ったのは、住んでいる福島市から柳津町に一泊の温泉旅行に行った時でした。予約していたお宿の夕食は馬刺し増量というプラン。会津のお酒に合いそうと思い、楽しみにしていました。
宿に着き、温泉に入って一息ついたら、お待ちかねの夕食です。プランの通り馬刺しがたくさん出てくることはわかっていましたが、テーブルに通され、並べられていたその量にびっくり。夫と2人で食べる量が1皿で提供されたのかと思いきや、ちゃんと夫の前にも同じ量の馬刺しが。お皿には馬刺しが約20切れも盛り付けられていました。
以前、熊本でいただいたのは赤身や霜降りに加え、たてがみ、フタエゴなど、馬刺し特有の部位でした。一方、お宿で出てきた馬刺しは赤身一色。熊本で食べたようなバラエティーに富んだ馬刺しを想像していた私は少し残念に思ったのですが、食べ始めてすぐに考えが変わりました。赤身のお肉はしっとりやわらかく、ヘルシーなのでいくらでも食べられる。そしてしょうゆに溶かした辛子味噌タレがまたやみつきになる味で、お箸が止まらなくなりました。
後から知ったのですが、熊本ではサシが入りやすい800キロ~1トンにもなる重種馬が主流なのに対し、会津では脂身の少ない赤身が特徴の600キロ前後の軽種馬が扱われるとか。会津の馬刺しは赤身が中心に出回るのですね。
海から離れた山奥にある、会津ならではのお刺し身。増量プランで食べ飽きるどころかそのおいしさにはまってしまい、翌日の昼食にもちゃっかり馬刺しを堪能して帰りました。馬刺しと言えば熊本と思っていましたが、今ではすっかり会津の馬刺し推しになった私です。
(福島の転入女性が暮らしの情報を発信するサイト「tenten」ライター・貫井暖香)
tenten(てんてん)だよりは、転勤や結婚などをきっかけに福島県内に引っ越してきた女性が転入者の目線で発見した福島の魅力などをつづっているコラムです。これから定期的に紹介していきます。
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