福島アンテナ
日本青年会議所(JC)は大和川酒造店(喜多方市)、名倉山酒造(会津若松市)、笹正宗酒造(喜多方市)と共同で、日本酒3種を開発した。
生活様式の変化などで日本酒に関心が低い若者が多いことを課題と捉え、若い世代や海外の消費者に親しみやすい味わい、デザインとした。「会津酒造イノベーションプロジェクト」と銘打ち、会津の地で受け継がれる伝統を、新たな形で打ち出す。
大和川酒造店は古典的で海外展開を意識した「YAUEMON(ヤウエモン)」を完成させた。商品名は創業家の名前に由来し、伝統と革新の共存を表した。
名倉山酒造は若者が受け入れやすいよう、甘酸っぱくフルーティーな味わいの「FULTTER(フルッター)」を造り上げた。いずれも電子商取引(EC)サイトなどで11月初旬から販売する。
笹正宗酒造はほんのりとした甘さと発泡が特徴の「PANDA5.(パンダファイブ)」を考案。社名の笹から、記憶に残りやすいパンダを発想した。アルコール度数を抑え、来年2月からの販売を目指す。
JCの人脈を生かし、関係する三つの酒蔵との連携が実現した。1月に開発に着手し、デザイナーの青山尚史さんがデザインした。6月にモンゴルで開かれたJCの国際会議で試作品が振る舞われ、好評だったという。
日本JC地域ブランド確立委員会の米田恵樹委員長は27日、福島民報社を訪れ「若者の日本酒離れを克服し、福島が誇る酒造文化を次世代につなぎたい」と述べた。同日県庁で内堀雅雄知事にプロジェクト概要を報告した。内堀知事は「若い世代ならではのアプローチで心強い」と語った。
大和田諒副委員長、広上直行総括幹事、谷口隆治会計幹事、大和川酒造店の佐藤雅一代表社員、名倉山酒造の松本和也社長、笹正宗酒造の岩田悠二郎社長が同席した。


