若い世代の声
「けやれ」。語尾に付けると「してください」「してちょうだい」となる只見弁だ。冬に豪雪で覆われる県境の土地には、独特の言葉が根付いたのだろう▼「えんびゃれ」は謙譲語。「一緒に行きましょう」と呼びかける。この言葉を冠した学生団体が町内で動き始めた。東京の大学に通う町出身の20歳の男性が引っ張る。大型連休中に仲間を連れて帰郷し、水路清掃に励んで祭礼用のしめ縄を作った。住民に感謝された。これから季節ごとに活動を展開し、地域と深く関わるつもりだ▼8月の夏祭りを企画し、メンバーと町役場を訪れた。人口減少は進んでいる。人手が足りない。何とかにぎわいを生み出し、人の絆をつなぎ直したいと町長に思いをぶつけた。原動力は深い郷土愛だ。幼い頃から川で魚を捕り、森で遊んだ。ブナの輝く緑、一面の雪景色を誇りに感じる。卒業後、古里に戻り起業すると思い描く▼町長はこう返した。「思う存分、町の中をかき回してほしい」。行政や住民から力強い支援を受ける。山あいの町に300人を集め、笑い声を響かせると誓う。若者が繰り返している。「えんびゃれ」。及ばずながら少し手助けを。この夏は、只見に来てけやれ。<2026・6・27>

