顔の見えるつながりが支える地域防災〜宮城県丸森町南郷地区の防災訓練に参加して〜

顔の見えるつながりが支える地域防災〜宮城県丸森町南郷地区の防災訓練に参加して〜

若い世代の声

 福島大学地域未来デザインセンターでは相双地域支援サテライトを南相馬市小高区と富岡町に設置して復興支援活動を行っています。その活動の一環として、6月28日(日)に福島大学市民講座「地域の備えを知る―丸森町視察会」を実施しました。福島県の被災12市町村で、防災の取り組み等に関心のある住民の皆さんに参加していただきました。福島大学生の高橋さんも参加したので、当日の様子をレポートしてもらいます。

 福島大学行政政策学類2年 高橋 彩心さん

 6月28日、丸森町和田コミュニティセンターにて実施された丸森町南郷地区防災訓練を見学した。丸森町は2019年の東日本台風により甚大な被害を受けた地域であり、その教訓を踏まえ、南郷地区では自主防災組織の活動が進められている。
 今回の訓練に参加して、特に印象に残ったのは地域住民の自主性の高さと、住民ならではの視点による防災である。地区ごとに避難場所を検討する話し合いでは、「この場所はこういう立地である」「この橋は危険である」といった、実際にその地域で生活している人しか分からない具体的な情報が次々と挙げられていた。こうした視点は外部の人間には気づきにくく、地区防災における大きな強みであると感じた。
 また、防災は自助だけでなく共助が重要であることも強く認識した。訓練では、要支援者がどこにいるのか把握できていないという課題が挙げられ、その解決に向けてどのような取り組みが必要かが積極的に議論されていた。このように、地域全体で助け合う仕組みづくりに重点を置いている点が南郷地区の特徴であると感じた。さらに、防災無線やデジタル機器に頼るだけでなく、それらを利用できない人々にどのように情報を届けるかという課題についても考えさせられた。
 そして、丸森町の最大の強みは「顔と顔のつながりがある」ことであると感じた。訓練の中で、大熊町出身の参加者が「震災の影響で地域とのつながりが希薄になってしまったため、住民同士で『〇〇さんの家はこの辺だよね』と自然に会話が生まれる関係がうらやましい」と話していた。この言葉から、地域住民同士のつながりが決して当たり前ではなく、丸森町にとって大きな価値であり強みであることを改めて実感した。
 今回の見学を通して、地域防災においては、住民同士のつながりや主体性が不可欠であり、それが災害時の大きな力になることを学んだ。

 

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防災訓練の参加者

 

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グループでの話し合いに参加する高橋さん(左から4人目)