福島アンテナ
郡山市の日大工学部建築学科のサンジェイ・パリーク教授らは二酸化炭素(CO2)を既製のコンクリートブロック内部に固定化する独自技術を、大学構内の地下に設けた雨水循環施設のろ過槽建築に導入した。教授によると、この技術を施したコンクリートブロックを地下構造物に使用するのは国内で初めてという。技術に関する論文は、2025年度日本コンクリート工学会(JCI)東北支部の論文賞を受賞した。脱炭素社会の実現に向けた技術として注目されている。
パリーク教授と研究室の学生らが研究を進めている。既製のコンクリートブロックに高濃度のCO2を高圧で注入して内部に固定化する技術で、大学構内の「ロハスの森」にある屋上緑化施設や水田、池を循環する雨水のろ過槽2基に使用した。
パリーク教授によると、ブロック1立方メートル当たり50キロのCO2を固定できる。コンクリート中のアルカリ性成分とCO2を化学反応させ、炭酸カルシウムなどとして固定する「炭酸化」を利用する。CO2を高濃度、高圧の状態で注入することで、通常より炭酸化反応を促進する。
パリーク教授は、コンクリートがCO2の固定を短期間で進められる点を強調し、「実用化されれば、都会のコンクリートジャングル全体がCO2固定化につながり、森林のジャングルをつくるよりも効率的に脱炭素化に貢献できる」と話す。
パリーク教授は15年ほど前に研究を始め、研究室の学生や大手ゼネコンのフジタ(本社・東京都)、資材メーカーのエスビック(本社・群馬県)と共同で大学構内への導入を実現した。
製造済みのブロックにCO2を注入する工程を加える方式のため、既存の製造設備や製造工程を大幅に変更せずに導入できる利点があるとしている。エスビックや子会社の福島シービー(郡山市)などと協力し、CO2を注入したコンクリートブロックの2027年の製品化を目指している。(20260803)
【写真説明】 CO2を固定したコンクリートブロックを示すパリーク教授


