障害ある子どもに夢を 東日本国際大 高橋斗波投手(19) ろう野球日本代表初選出 11月世界大会

障害ある子どもに夢を 東日本国際大 高橋斗波投手(19) ろう野球日本代表初選出 11月世界大会

若い世代の声

 いわき市の東日本国際大硬式野球部2年の高橋斗波(とわ)投手(19)=東京都出身=は聴覚障害のある人がプレーする「ろう野球」の日本代表に初選出された。先天性の感音性難聴があるが、チームメートに支えられながら強豪大で鍛錬を積み、目標としていた日の丸を背負うまで実力を高めた。11月に神奈川県で開催される第2回世界ろう野球大会(WDBC)に向け、「障害がある子どもたちに夢や希望を与えるプレーを見せる」と誓う。

 高橋投手は音がゆがんで聞こえる難聴で、筆談や音声文字変換アプリを使って意思疎通を図っている。3歳上の兄の影響で小学4年の時に野球を始めた。立志舎高(東京)に進み、3年夏の大会では先発を務めるなど主力として活躍。高校時代にろう野球の存在を知り、代表入りを志すようになった。部活動引退後、日本ろう野球協会と、ろう野球を支援している東日本国際大の合同練習会に参加した。活気に満ちたチームの雰囲気や充実した練習環境に引かれ、「ここで野球をやりたい」と進学を決意した。
 大学では、親元を初めて離れ、寮生活を送っている。甲子園常連校から選手が集まり、練習のレベルは高い。支えになっているのは、部員の温かい心遣いだ。突然のミーティングで音声文字変換アプリを用意できない時は仲間が内容を教えてくれたり、指示が聞こえない時に手を差し伸べたりするなど寄り添いながらサポートしてくれる。「チームメートが自分を聴覚障害者でなく、『一人の仲間』として接してくれることがうれしい」と感謝する。
 競争が激しい大学野球の環境に身を置いて着実に力を付けている。カーブを武器に打たせて取る投球スタイルを磨き、見事に代表のユニホームを獲得した。代表チームの野呂大樹選手兼任監督(35)は「投球のテンポが良く、制球力が高い」と評価。「先発、救援両方で活躍してほしい」と成長を続ける左腕に期待を寄せる。
 台湾で2024(令和6)年に開かれた第1回WDBCで日本は優勝しており、地元開催の大会で2連覇が懸かる。代表チームは7月24日から26日まで、市内の東日本国際大小川グラウンドで強化合宿を行った。高橋投手もブルペンで投球。コーチ陣やスタッフと手話でコミュニケーションを取り、アドバイスを受けた。大学チームとの練習試合も行い、実戦経験を積んだ。
 初の甲子園出場を決めた付属校の東日大昌平高の活躍もあり、モチベーションは高まっている。「どんな場面でも最後まで諦めず、仲間を信じて戦う姿を見せたい」と世界の舞台に向け、気合をみなぎらせる。(20260803)

※ろう野球 ルールは通常の硬式野球と同じ。補聴器を着けず、アイコンタクトやサインでプレー間の意思疎通を図る。日本ろう野球協会は2020(令和2)年に発足し、デフリンピックの競技種目採用を目指して活動している。第2回世界ろう野球大会には日本、米国、メキシコ、台湾、香港が出場予定。11月1~3日の日程で、神奈川県内の4球場で試合を行う。

【写真説明】 日本代表チームのスタッフが見守る中、ブルペンで投げ込む高橋投手

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