福島のニュース
東日本大震災で津波被害を受けた福島県いわき市平薄磯の安波大杉神社に、古くから地域で継承される祝い歌「あんば様の唄」の歌碑が建立された。薄磯区長の鈴木幸長さん(73)が15年の節目に「復興からの歩みを支えてくれた歌を後世に伝えたい」と願い私財を投じて作った。5日、現地で除幕式が行われた。薄磯地区は市内で最多の111人が犠牲になった。津波で多くの人命や家が失われた地域の心を伝えていこうと、唄を伝承する「浜菊会」が2011(平成23)年秋に結成された。メンバーが復興イベントなどで披露し、復興への願いや古里への思いを伝えてきた。除幕式で、鈴木さんが「この唄が末永く歌い継がれ、地域が平和に発展することを願う」とあいさつした。浜菊会のメンバーが三味線の音色に合わせて「あんば様から沖来る風は~、あ~よい、よい」との歌い出しで朗々と献唱した。「あんば様の唄」は江戸時代中期ごろから口承で伝えられ、正月や婚礼などの慶事で歌われてきた。薄磯の風土を織り込みつつ、大漁祈願や商売繁盛などを願った20種ほどの歌詞が伝わる。鈴木さんの母トヨノさん(99)が多くの歌詞を覚えており、継承に大きな役割を果たしたという。

