復興の歩みに心寄せ 輝く笑顔県民の力に 天皇ご一家 双葉の住民と懇談

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復興の歩みに心寄せ 輝く笑顔県民の力に 天皇ご一家 双葉の住民と懇談

福島のニュース

東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からの復興状況視察とお見舞いのため6日に双葉町など被災地を訪問された天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは、15年にわたり復興に向けて歩み続けてきた福島県に心を寄せた。犠牲者に鎮魂の祈りをささげ、津波や長期避難など未曽有の複合災害の被害に遭った県民の声に耳を傾けた。ご一家の優しさに触れた被災者らは感謝するとともに、県土の再生に向けた決意を新たにした。双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪問されたご一家は、苦難を乗り越えてきた被災者と心を通わせられた。「15年の節目で、小さな町に力を与えに来ていただいた」。伝承館の語り部を務める双葉町浜野行政区長の高倉伊助さん(70)は時折、声を詰まらせながら、懇談を振り返った。震災による津波で自宅を含む区内の約50世帯の大半が流失し、14人の尊い命が失われた。地震、津波に加え原発事故という三重苦を経験した思いを言葉に乗せた。天皇陛下から「震災当時はつらかったでしょう」と優しい言葉を頂いた。「自分の糧にしたい。お世話になった全国の人に少しでも恩返しする」と復興推進に尽くす決意を新たにした。双葉町駅西住宅管理組合長の国分信一さん(76)は2023(令和5)年10月に町内へ帰還し、住民約200人の結束を強める活動に尽力している。コミュニティー形成に関心を示された愛子さまに対し、「(有事の際に備え)隣同士があいさつすることが大切です」と伝えた。避難先で自主防災組織を立ち上げた経験などを踏まえた。皇后さまは「顔の見える関係性ですね」とうなずいた。「住んで、来てよかったと思えるまちづくりにつなげる」と誓った。「天皇陛下に私の店のカツサンドを食べていただくのが夢です」。双葉町産業交流センター内のファストフード店「ペンギン」でマネジャーを務める山本敦子さん(54)は思いを口にした。「お薦めのメニューは何ですか」という愛子さまの質問には看板商品のスペシャルカツサンドを紹介。「大きな口を開けないと食べられないです」と説明し、和やかな雰囲気の中で懇談した。2021年にオンラインで両陛下と対面し、避難に対する励ましのお言葉を受けていた。天皇陛下から「最近どうですか」と声をかけられた。皇后さまは前回の対面と「ペンギン」の店名を覚えていたという。「被災者に寄り添い続けてくださる、ご一家の思いに感動した」と胸を熱くした。津波浸水高さに驚き東日本大震災・原子力災害伝承館での被災者との懇談に先立ち、ご一家は高村昇館長の案内で館内を見て回られた。陛下は高さ4メートルまで津波が浸水したのを示す柱を見上げ、「4メートル…」と驚いた表情を見せた。語り部講話が行われている部屋の前では、高村館長から38人の語り部が担当していると聞き、陛下は「どういう方がお話を」と質問を寄せた。ご一家は昼食、夕食ともに、県産品をふんだんに使った料理を召し上がった。昼食は杉妻会館(福島市)、夜はJヴィレッジ(楢葉・広野町)のシェフが調理を担当した。7日の昼食はサッカー日本代表などの専属シェフとして知られる西芳照さんが腕を振るう。