絆結ぶ花 長期避難で管理難 桜樹勢衰え 福島県双葉町に集い復活へ 11日初の「まつり」

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絆結ぶ花 長期避難で管理難 桜樹勢衰え 福島県双葉町に集い復活へ 11日初の「まつり」

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福島県双葉町民有志の団体「夢ふたば人」は「ふたば桜まつり」を11日に町内で初開催する。「町の花」の桜は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生前まで各所を彩り、春を告げてきた。全町避難で世話が絶える間に病などで樹勢が衰え、施設整備が進む裏で数を減らしている。会長の中谷祥久さん(45)=いわき市=は消えゆく古里の春を人々の記憶に刻み、再生への一歩にしようと意気込む。長塚地区出身の中谷さんにとって桜は幼少期から親しんだ「古里の景色」だ。2011(平成23)年の原発事故に伴い一家で町を離れ、川俣町や横浜市を経ていわき市に落ち着いた。異郷で歳月を重ねる中でも、春が来れば「双葉の桜」が脳裏をよぎった。町への避難指示は2022(令和4)年8月、特定復興再生拠点区域(復興拠点)で解除されたが、全町避難は11年半に及んだ。ソメイヨシノをはじめ町内の桜は住民不在の影響で手入れが行き届かず、伝染病のテングス病などにかかって倒木の危険性などを理由に伐採されるケースが相次いだ。中谷さんは震災から約8カ月後、消防団仲間と「夢ふたば人」を結成。新春の風物詩・ダルマ市を避難先で催すなど、町の伝統や文化の存続に励んできた。「次は桜にちなんだ催しを」と仲間と構想を温めてきた。ただ、3月末には「宝」の一つだった旧町図書館前の桜に異変が判明。樹木医から病と診断され「いずれ枯れる」と指摘された。町が復興施策の一環で図書館を解体するのに伴い、木々も一部を残して伐採されることとなった。「美しい桜が残る風景を多くの人に見せたい」と準備を急いだ。桜まつりは午前9時から図書館南側の町民グラウンドで。満開を迎えた敷地内や図書館前、前田川沿いの桜をめで、地元の標[しね]葉[は]せんだん太鼓保存会や歌のステージを楽しむ。ダルマ絵付けや飲食の出店も並ぶ。中谷さんは恒例行事に育て、町内に桜を植樹する計画を練っている。被災から15年1カ月の「月命日」に当たる11日が「双葉の桜と復興する町の姿を伝える機会になってほしい」とピンクの花々を見詰めた。ソメイヨシノ病害県内で対応の動き美しい咲き姿で愛されてきた桜だが、景観を保つには人の管理が欠かせない。ソメイヨシノを中心に病害が広がる中、県内でも対応を急ぐ動きが出ている。