桜の名所再生へ 新たな芽 福島県須賀川市「長沼城址」病害に負けず

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桜の名所再生へ 新たな芽 福島県須賀川市「長沼城址」病害に負けず

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ソメイヨシノのテングス病が各地で問題になる中、福島県須賀川市長沼地区のサクラの名所・長沼城址城山公園の再生を目指す住民有志の取り組みが、一歩を踏み出した。約70本のソメイヨシノが咲く公園は住民が集う場として愛されてきたが、近年はテングス病で弱った木が順次伐採されている。「憩いの場を取り戻したい」。住民有志は長沼にある桜の名所から風土に合いやすいエドヒガンザクラの種を集めて育て、今月、一部が芽吹いた。順調に成長すれば来秋に植える予定で、城山公園に春の彩りが満ちるよう育てていく。風土に合う品種住民一丸で「元気に芽を出してくれてひとまず安心している」。住民組織の長沼・岩瀬の未来を考える会の会長大岡清一さん(75)は前進に手応えを示した。地区内の自宅に置いたプランター5個にまいた種約300個のうち20個が2、3センチほどの芽を出した。今後も順次、芽が出る見込みで、苗木になるまで見守る。当初はソメイヨシノ系の「ジンダイアケボノ」を植える予定だった。会員から「地区の歴史ある名所のサクラを活用し、住民の手で育てて植えたい」との声が上がり、市と協議の上、苗木栽培を担うこととなった。昨年6月に長沼地区にある横田陣屋御殿桜や護真寺、永泉寺などのエドヒガンザクラから種を採取した。ソメイヨシノと比べれば地区環境に合いやすく、御殿桜の桜守として苗木の栽培経験が豊富な大岡さんが中心となって育ててきた。市文化振興課によると、公園にあるソメイヨシノのほとんどが樹齢50年を超えた老木となっている。樹勢の衰えや管理不足から約50本がテングス病にかかり、花が咲かないなどの症状が確認されている。市は2024(令和6)年度、景観保全のため本格的に伐採作業に着手し、これまでに約30本に対処した。考える会は来秋の植樹に向け、苗木100本を育てるのを当面の目標にしている。大岡さんは「城山公園をはじめ地域が花見でにぎわうよう大切に育てたい」と新芽を見つめている。