ふくしま100年企業 ▶1◀ 丸栄ふとん店(福島県郡山市) 分相応の経営続く挑戦 親しまれる綿製品提供

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ふくしま100年企業 ▶1◀ 丸栄ふとん店(福島県郡山市) 分相応の経営続く挑戦 親しまれる綿製品提供

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変遷する時代を1世紀以上生き抜き、令和の現在も良質な製品やサービスを届ける県内の「100年企業」は、事業継続のためどんな努力を重ねてきたのか。各社の事例を踏まえ持続的な経営につながるヒントを紹介する。(敬称略)▷創業1919(大正8)年▷業種寝具小売業▷代表片田尚子▷住所郡山市大町1丁目12の2▷従業員数2人▷電話番号024(922)2250肌触り、通気性に優れたハンドタオルやハンカチ。郡山市の大町通り商店街にある店舗に愛らしい小物が並ぶ。創業107年の老舗は布団に加え、日々親しまれる綿製品をそろえる。時代に翻[ほん]弄[ろう]され幾度も難局が訪れた。3代目店主の片田尚子(68)は「身動きが取れるよう多くの引き出しを準備してきた」と3世代の歩みに思いをはせる。祖父の靖人が1919(大正8)年に創業。綿布団の普及や綿製品の需要拡大を追い風に業績を伸ばした。しかし布団の素材や寝具の多様化で、徐々に引き合いが減る。2代目の父隆雄は綿工場を廃止し、コスト面を見直した。本業を軸にしながらも、新たな収入源としてたばこや切手の販売を始めた。ただ、バブル崩壊など急激な外部環境の変化に、度々振り回された。時代の波に左右されないためにはどうすればいいか―。2010(平成22)年に後を継いだ尚子は「分相応の経営」を心がけてきた。高級布団は収入に結び付くが買い手は決して多くない。手軽な日用品の販売で顧客をつかむのを意識した。2016年に木綿の魅力を伝えるブランド「wa・ta・ya(わたや)」を創設。太さの異なる綿糸を6重に織り上げたガーゼタオルなどは、乳児から高齢者まで愛用されている。近年は蚊帳生地の手拭き「sO―la(そーら)」や、県内の縁起物をあしらった「ふくくるみ」のスタイ(よだれかけ)なども開発した。大半を輸入に頼る綿花を市内の畑で2021(令和3)年から育てる。消費者との接点を増やすため広範囲の土産店や電子商取引(EC)サイトに出品し、交流サイト(SNS)も活用する。「大きな投資をせず、常に挑戦できる余力を持つことが大事」と足元を見つめる。