ふくしまは負けない/明日へ 墓参り機に交流創出 郡山のNPO坂上代表理事(福島県富岡町出身) 栽培の供花提供

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ふくしまは負けない/明日へ 墓参り機に交流創出 郡山のNPO坂上代表理事(福島県富岡町出身) 栽培の供花提供

福島のニュース

福島県富岡町出身でNPO法人コースター(郡山市)代表理事の坂上英和さん(40)は、町内の空き地を活用して花やサカキを栽培し、墓参りをする住民に無償で提供する。墓に手向ける供花として活用してもらう。東京電力福島第1原発事故による避難が長期化する中、避難先から墓参りに訪れる人や地域住民に立ち寄ってもらい、出会いの機会を促す。空き地は、原発事故発生前までは旅館が建っていた町内本町の約1500平方メートルの敷地。一部に花壇を設けてツツジを植え、今後はサカキや多様な花を育てる。盆や春や秋の彼岸など墓参りに足を運ぶ機会が増える時期には、マルシェを企画。利用者や町民との交流の場を設ける。NPOの新事業として、来年3月の彼岸に大桑原つつじ園(須賀川市)の協力を受けて実施する予定。町の人口は1万918人(1日現在)で、このうち町内居住者数は2760人(同)。約8千人の町民が県内外へ避難している。震災発生から15年が過ぎ、避難者が町に継続的に関わるきっかけが重要と考えた。誰もが町に訪れる墓参りをつながり創出の機会と捉え、空き地の活用と合わせて企画した。坂上さんは福島高専を卒業後、東北大経済学部に編入した。震災時は仙台市の企業に勤務。宮城県内の避難所とボランティアをつなぐ仕事に汗を流した。復興支援を志す若者と被災地域のマッチング業も手がけたが、地域の体制が整わず撤退していく若者を多く見てきた。復興を進める上では資金面の支援や現場を分析した事業計画作りなど熱意ある人を受け入れる地域の基盤整備が欠かせない。2013(平成25)年ごろから、NPOの設立メンバーの一人として福島で活動する人が増える場づくりを目指し活動している。コミュニティースペースの運営や仮設住宅での支援、イベント実施やNPOの運営補助、就業体験の管理・運営など活動は多岐にわたる。帰還困難区域を除く町の避難指示が解除された翌年の2018年、町内の自宅を建て直し、郡山市との2拠点で生活する。「誰もがふらっと立ち寄れる場所にしたい。古里への帰属意識が高まり、QOL(生活の質)が増していく機会になれば」と花を囲む町民の姿を思い浮かべた。