福島便り
福島銀行(本店・福島市)は25日、取締役会を開き、加藤容啓(たかひろ)社長(68)が代表権のある会長に就き、鈴木岳伯(たけのり)常務企画本部長(58)が社長に昇格する人事を内定した。トップ交代は2018(平成30)年6月以来7年ぶりで、生え抜き社長は2002年6月に退任した故松本紀(かなめ)氏以来23年ぶり。6月の株主総会と取締役会で正式決定する。
同行は昨年4月、デジタル変革(DX)推進と対面営業の強化などを掲げた新中期経営計画を策定。同年7月に次世代バンキングシステムを稼働させた。システム運用が安定したのに加え、今年4月から県内本店・支店で「エリア営業体制」を導入するのを踏まえ、計画の策定を主導した鈴木氏を加藤氏が後継に推薦。取締役会の承認を得た。
東邦銀行出身で2018年6月に社長に就いた加藤氏は2018年3月期に赤字だった福島銀行連結決算を翌期の2019年3月期に黒字転換させた。2019(令和元)年11月にはインターネット金融大手SBIホールディングス(HD)と資本・業務提携を結び、次世代バンキングシステムの構築につなげた。
加藤氏は25日、福島民報社の取材に「東邦銀行からはワンポイントリリーフで来たつもりだ。生え抜き社長に交代し一致団結してほしい」と鈴木氏を推した理由を説明。鈴木氏は「加藤社長の思いを引き継ぎ、着実に実行することが使命だ」と決意を述べた。ともに現時点での他行との再編は否定した。