福島便り
フリースタイルスキー・モーグルの西沢岳人(25)=福島県北塩原村出身、チームリステル=はワールドカップ(W杯)で自己最高の8位に入るなど、手応えをつかんで今季を終えた。2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪出場への派遣推薦基準を満たしており、「一層、技術を磨き、出場権獲得まで集中して戦う」と言葉に力を込める。
W杯前半は振るわなかったが、2月に中国で行われた第11戦が転機となった。第1エア(空中技)で得意のフルツイスト(伸身後方1回宙返り1回ひねり)をいつも以上に大きく飛ぶと、点数が伸び予選を6位で通過した。決勝は9位だったが、スピードに乗ったままの大きなエア成功に手応えをつかんだ。
好調を維持して臨んだ3月のイタリアでの第15戦。エアの高得点に加え、こぶなどのコース状況を冷静に見極め8位に入った。国内の五輪派遣推薦基準「W杯か世界選手権で8位以内の成績1回以上」をクリアした。
国内の五輪出場枠は最大で4。来季中盤まで五輪出場を懸けたレースが続く。オフシーズンは猪苗代町のリステルスキーファンタジアにあるウオータージャンプ場を中心に練習に励む。
「けがをしない体をつくりながら、エアの完成度、難易度をさらに上げる。来季はさらに進化した姿を見せ、五輪に出場する」と自信を深めている。
にしざわ・たけと
会津学鳳高、早大卒。裏磐梯小1年時にチームリステルのジュニアチームに加わり、本格的にモーグルを始める。夏場はリステルスキーファンタジアのウオータージャンプ場、冬場は北塩原村のENリゾート
グランデコスノーリゾートのモーグルコースなどで練習している。全日本スキー連盟の強化指定選手Aランク。