福島便り
福島県立博物館と一般社団法人「会津地域文化藝術フォーラム(会津文藝)」は新年度から会津地方の文化芸術を核とした地域づくりや観光振興に乗り出す。両者が26日、連携協定を締結した。
県博が民間団体と連携協定を交わすのは初めて。今年度までの5年間、文化庁の補助を受け、博物館を起点にした観光周遊を促す「三の丸からプロジェクト」に取り組んできた。会津文藝は2023(令和5)年7月、会津地方の商工会議所や民間企業の代表者らが設立。会津17市町村の持続的発展を目的にシンポジウムや講演会を開催してきた。今後は両者の強みを生かし、一層の地域活性化を図る。
第1弾事業として4月12日、県博を会場に会津漆器などの伝統工芸品の魅力を伝える「雪国ものづくりマルシェ」を開く。マルシェは昨年5月にも開催したが、ふくしまプレデスティネーションキャンペーン(DC)開始に合わせ、1カ月前倒しする。マルシェ開催時には観光客の人流を調査し、今後の観光施策に役立てる。この他、奥会津の保存食に理解を深める観光ツアー、商品開発を計画。連携事業に専属で取り組む「会津文化芸術振興地域おこし協力隊」も採用する。
県博の川名義則館長と会津文藝の高野武彦代表理事が同日、会津若松市の県立博物館で事業概要を発表した。川名館長は「会津文藝と協力することで博物館が持つ可能性を高める」と語り、高野代表理事は「会津の誇りを醸成する活動を展開する」と意気込んだ。