福島便り
福島県郡山市富久山町の根本薫さん(73)は25日、自作の木製ベンチを市内の郡山久留米郵便局に寄贈した。脳梗塞からのリハビリの一環で取り組む木工品作りの成果だ。「散歩中に休む場所として、地域の方々に利用してほしい」と願っている。
日本郵便輸送に長年勤めた。3年前に脳梗塞で倒れ、半年の入院を経てリハビリに励んできた。市内の訪問看護ステーションlifeの作業療法士三浦武(たける)さんらの提案を受け、まひが残った右半身の機能回復を目指して1年半ほど前から木工品を製作している。
最初は簡易なリハビリ用具から作り始めた。1作目のベンチは市内久留米のlife事務所前に置いた。2作目はlifeの職員と相談し、多くの高齢者らが訪れる郵便局に贈ろうと決めた。材木を組み立て、防腐剤の塗布と乾燥を繰り返す。1日2時間、約2週間かけて完成させた。
郵便局の二瓶克彦局長は「お年寄りが多い地域。自販機もあり、ホッと一息つける場所ができて良かった」と感謝。頻繁に郵便局を利用する近所の桜田豊子さんも「遠い場所から郵便局に来る人には助かる」と喜んだ。
根本さんは「材木の端切れを使った製品をデザインしてみたい」と新作に意欲を見せた。lifeは健康面での地域支援を柱の一つに掲げており、代表の田代勇二さんは「高齢者の居場所をつくる活動を広げたい」と語った。(郡山版)