文豪ゆかり「亀谷坂露伴亭」が閉店 名物のカレーや阿部川餅提供、ファン惜しむ 福島県二本松市

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文豪ゆかり「亀谷坂露伴亭」が閉店 名物のカレーや阿部川餅提供、ファン惜しむ 福島県二本松市

福島便り


文豪・幸田露伴ゆかりの交流拠点として親しまれ、名物のスリランカカレーや露伴が食べたという阿部川餅などを提供してきた福島県二本松市の「亀谷坂露伴亭」は30日、営業を終え、16年間の活動に幕を下ろした。
今年1月に閉店が決まってから連日訪れるファンも多く、最終日も大勢の来店者でにぎわった。大束晋さんのパンフルート演奏などが花を添えた。一家5人で訪れた福島市の農業上川勇吉さん(82)らは「長年通っておいしいカレーを食べた。店の皆さんの温かい対応もうれしかった」と名残を惜しんだ。スタッフらは目を潤ませて「次に向かってチャレンジしたい」などと話していた。
露伴亭は二本松の提灯(ちょうちん)祭りの見せ場として知られる亀谷坂に、住民らが力を合わせて店を建て、2009(平成21)年3月に開店。地元の女性スタッフらが切り盛りしてきたが、高齢化が進み、店を閉じることになった。建物の今後の利活用は未定。
運営に当たったNPO法人亀谷まちづくり処露伴塾の渡辺豊理事長は「地元の皆さんとスタッフの熱意に感謝する。熱い思いをつないでいきたい」と感慨を込めた。