福島便り
老朽化した福島県立若松乳児院(会津若松市)に代わる新たな県立乳児院は1日、郡山市の星総合病院が市内大町で運営する複合施設「おおまちてらす」3階に開所した。2日、現地で開所式が行われた。
県立乳児院は同病院が指定管理者を務める。床面積は約1160平方メートルで、若松乳児院の約1・8倍。1部屋の乳児(0歳)室と3部屋の幼児(1、2歳)室は、キッチンを設けるなど家庭に近い環境を重視した。心理療法室や、親子が再び一緒に暮らしたり、里親家庭が受け入れたりする準備に使う親子訓練室を新たに導入。1週間以内のショートステイ室も新設した。
定員15人。2日現在で7人が利用している。病院と連携し、医療的ケア児も受け入れ可能。
開所式には約30人が出席し、内堀雅雄知事が「福島県の社会的な養育環境を大きく向上させる」と期待を示した。関係者が施設内を見学した。
乳児院は児童福祉法に基づく施設。児童虐待や病気など、家族と暮らせない事情がある乳幼児の養育、退院後の相談などを担う。児童相談所が入所の可否を判断する。県内唯一の乳児院だった若松乳児院は3月31日付で閉院した。