福島便り
福島県の田村、大熊、浪江、葛尾の4市町村にまたがる地域に国内最大級の風力発電所「阿武隈風力発電所」の建設を進めていた合同会社「福島復興風力」は2日、売電を開始した。阿武隈地域の尾根上に設置した風力発電機46基は1基あたり3200キロワットで、総発電容量は約14万7000キロワット。陸上の風力発電としては発電機の数、発電容量ともに国内最大規模。年間想定発電量は、福島市の世帯数とほぼ同じ約12万世帯分の消費電力量に相当する。
2日午前0時、売電が始まった。田村市都路町にある管理棟内では、パネルに各風車の発電量などが表示され、社員らが確認作業などに当たった。発電された電力は現時点で、かもめミライ水産(浪江町)、大熊町役場、大熊るるるん電力(大熊町)などに供給されている。
「コーポレートPPA」と呼ばれる電力購入契約となっており、売電収入の一部は県再生可能エネルギー復興推進協議会を通じて、発電所が立地する市町村などに復興事業資金として分配される予定。
福島復興風力は、福島市のふくしま未来研究会、福島発電、信夫山福島電力をはじめ、住友商事、清水建設など9社でつくる合同会社。同社は、クリーンエネルギー電力で県の再生エネルギー推進ビジョンに寄与するとともに、福島復興に貢献していくとしている。