福島便り
福島大(福島市)が2027(令和9)年度の全学再編で設ける学部のうち、現行の行政政策、経済経営の両学類を統合して新設するのは「政経学部」となるもようだ。3学群5学類体制から教育、理工、食農と政経の4学部体制に移行し研究・教育を充実させる。教育と政経は定員を減らすが理工と農学は定員を増やし、総定員は変えない見通し。4日、関係者への取材で分かった。大学は9日の定例記者会見で改革構想の詳細を発表する。
新たな組織案は【図】の通り。教育実践や心理学・幼児教育など探究ができる人間発達文化学類は教育学部、幅広い理工系の知識を身に付けられる共生システム理工学類を置く理工学群は理工学部、農林業全般を学べる食農学類のある農学群が食農学部になるとみられる。教育学部は教員不足や志願者減少に対応するため教員養成課程を置くもようだ。再編により、地方創生や持続可能な経済の課題をデータに基づき発見、分析、解決できる人材育成を目指す。詳細なコースやカリキュラムを含め、文部科学省と協議を進めている。
教育、政経は組織変更前より定員が減り、その分、理工、食農の学生数を増やす方向で調整している。教員の割合も変動するとみられる。
大規模な全学再編は、2004(平成16)年の国立大法人化で学部制から学群・学類制に改編して以来。三浦浩喜学長は昨年10月の記者会見で「今後の状況を踏まえ、柔軟に対応できる大学に変えていく。福島で学び、地域の担い手として活躍する人材を育てていく」と述べていた。