福島便り
全国各地の花街から芸妓[げいぎ]が集う第7回「ならまち花あかり
―全国花街技芸まつり―」は5、6の両日、奈良市で開かれ、福島県から会津若松市の会津東山芸妓が出演した。関係者は花街の魅力を発信し、観客とともに日本の伝統文化を次代へつなぐ思いを共有した。
奈良元林院花街復興プロジェクトの主催。お座敷文化を継承し、失われつつある全国の花街を活性化させようと奈良市の芸妓・菊乃さんが呼びかけ、2016(平成28)年に始まった。新型コロナ禍を経て6年ぶりの開催となった。
札幌市や東京都・赤坂、京都市など北海道から九州までの27の花街から芸妓約50人が参加し、それぞれ花街ごとにステージに立った。このうち、6日の公演に会津東山芸妓の置き屋「花の家」の真衣さん、伊おりさん、実千代さんが出演。約250人の観客を前に「会津観光小唄」を披露し、観客を魅了した。鶴ケ城や会津東山温泉などの観光もPRした。
発起人の菊乃さんは「イベントによって全国の芸妓の士気が高まり、横のつながりが生まれるように」と企画したという。真衣さんも「皆さんと交流することで勉強できることがあり、とても幸せ」と喜んだ。
菊乃さんは、かつてに比べて芸妓を目指す若者が減っているとし、「公演を機に芸妓を志す若い人が増えてくれたらうれしい」と話した。