福島便り
4月13日に開幕する大阪・関西万博で、福島県は7月19日に単独出展する際、県内の復興状況を発信するのに加え、「防災」を重視した展示を繰り広げる。南海トラフ巨大地震の発生に危機感が高まっている中、災害を「自分ごと」として捉えてもらう内容とする。国内外の来場者に被災地の現状を直接見てもらうため、ホープツーリズムの趣旨を紹介し県内への誘客促進にもつなげる。
主な出展内容は【下記】の通り。会場内の柱を活用し、県内沿岸部を襲った津波の高さを表示し、その脅威を実感してもらう。震災発生前の地域の生活や発生当時の写真などを組み合わせた映像を流す。
一方、世界に類例のない東日本大震災と東京電力福島第1原発事故という複合災害を経験した唯一の広域自治体として、被災地の現状を正確に伝え、風評払拭と風化防止を図る。
県内への訪問意欲を喚起するため、福島県でしかできない「新しい学び」としてホープツーリズムをアピールする。会場には参加を希望する人の申し込みを受け付けるデスクも設ける。
風評払拭と観光誘客に向け、出展時期に旬を迎える県産モモを来場者に提供する。会場には「桃棚」も設置し、モモの産地としての空間を演出。ミニステージでは、福島市を拠点に活動しているエアレースパイロットの室屋義秀さんのトークショーを繰り広げる。県内の学生が室屋氏と連携して製作した軽量飛行機も展示する。
内堀雅雄知事は7日の定例記者会見で県単独出展の内容に触れ、「福島の今、福島が復興に向けてどういう取り組みをしているか、などを積極的に発信していきたい」と意欲を示した。■「震災伝承」など4テーマで出展
復興庁が来月
万博での福島県関係の出展としては復興庁が5月19日から同24日まで「震災伝承・災害対応」「食・水産」「最新技術」「福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)」の4テーマでの展示を予定。経済産業省は5月20日から同24日まで、県内の被災地で産業再生に挑戦する事業者などを紹介する。■大阪・関西万博での福島県の主な展示
◆年表パネル◆福島の位置・基本情報(マップ映像)◆大型映像◆原発・放射線の影響◆復興へ向けた歩み(農業・漁業・住宅・インフラ)◆ゲート展示◆過去と現在の変化~人々の姿・笑顔など~◆ふくしまから、未来へつなげる想い~ジオラマ展示など~◆室屋義秀さんと学生たちの取り組み紹介パネル・軽量飛行機展示◆観光紹介(80インチ映像モニター)◆ツアーデスク設置◆旬の恵み・モモの産地からの贈り物◆ミニステージ(室屋さんトークショー、フラダンスショーなど)◆ワークショップ(紙かぶと工作、赤ベコ塗り、起き上がりこぼしなど)◆「津波の高さ」表示