福島便り
福島県南相馬市原町区の農業、菅頭秀行さん(45)は健康食材として注目されるキクイモの栽培に力を入れ今年、本格的な出荷を始める。「南相馬の新たな特産物にしたい」と意気込んでいる。
キクイモは多糖類イヌリンを豊富に含み、糖尿病予防や腸内環境改善に効果があるとされる。脱サラして農業を始めた菅頭さんは、東京電力福島第1原発事故で中断した後、2017(平成29)年に営農を再開した。健康や美容に良いとされるキクイモに注目し、試験的に栽培してきた。植え方や施肥などで試行錯誤を重ねながら、安定して収穫できるようになった。
これまで直売所やネット販売などで売り出していたが、漬物の原料として県外の業者に出荷するルートを開拓した。チップやパウダーに加工して付加価値を高め、さらに販路拡大を目指す。
借りている農地を増やし、これまで1トンほどだった収穫量を、今年は4倍に増やす。4月下旬から種芋の植え付けを始め、11月ごろから収穫するという。
菅頭さんは「食材だけでなく、ジュースやドレッシングなどさまざまな加工品の原料として活用できる。知名度を高めていきたい」と話している。(相双版)