小石状の1粒 デブリつかむ 福島第1原発2号機2回目取り出し 前回場所より中心付近 来週にも作業完了

  • [エリア]
小石状の1粒 デブリつかむ 福島第1原発2号機2回目取り出し 前回場所より中心付近 来週にも作業完了

福島のニュース


東京電力福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しで、東電は17日、爪形の器具が原子炉格納容器底部のデブリをつかんだと発表した。昨年11月の採取場所から1~2メートル中心寄りにある小石状の1粒。異なる位置から採取したデブリを分析し、炉内環境の把握などに役立てる。順調に進めば来週にも2回目の取り出し作業が完了する見通し。
東電によると、遠隔で操作するパイプ型装置の先端にある「グリッパ」と呼ばれる爪形の器具を原子炉格納容器底部につり下ろした。同日午前10時50分ごろ、デブリをつかんだ。装置の移動中、デブリの一部が落下したが、残りを引き上げた。装置はデブリを保持したまま、格納容器内で水平状態を保って停止し、午前11時40分ごろに作業を終えた。
東電はデブリの落下について「当初から複数つかんでいたのか、割れたのかは不明」としている。
18日から4日程度かけ、装置を原子炉格納容器から引き抜く。その後、デブリの放射線量を測定し、東電が定める規定値(1時間当たり24ミリシーベルト)以内であれば、運搬用ボックスに収納する。重量を計測するなどし、初回と同じく茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗原子力工学研究所に運び、性質などを調査する。1~3号機に推計880トンあるとされるデブリの詳細を把握し、大規模採取の工法や保管方法の検討に役立てる。
東電は15日に2号機から2回目となる取り出しに着手した。大きなトラブルなく3日目でデブリをつかんだことについて、東電の担当者は17日の記者会見で「作業員が習熟した状態で作業を始められた」と要因を挙げた。
東電は昨年11月、2号機から約0・7グラムのデブリを取り出した。現在、JAEA大洗原子力工学研究所など国内5カ所の研究施設が詳細な分析を進めている。