メガソーラー7月完工 福島市先達山 9月末までに商業運転

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メガソーラー7月完工 福島市先達山 9月末までに商業運転

福島便り


福島市西部の先達山で整備中の大型太陽光発電所は7月末で完工し、9月末までに商業運転を開始する。開発事業者amp(東京都)が25日、報道陣に初めて現地を公開し、今後の見通しを明らかにした。
県の林地開発許可を受けた約60ヘクタールで、4カ所の調整池や切り土などを含む土木工事がほぼ完了した。幅1・1メートル、長さ2・5メートルのパネルの設置を進め、最終的に約9万6千枚を敷く。進捗は現時点で53・7%。地肌が見える造成地には種子と肥料を混ぜた液体を吹き付け、緑化作業をしている。のり面にはコナラの苗木を植えた。
発電事業はAC7合同会社(東京都)が担う。固定価格買い取り制度(FIT)により、大手電力会社に売電する。想定する年間発電量は6770万キロワット時で、約1万6千世帯の電力消費量に相当する。発電所内は24時間態勢の監視カメラを備え、管理業務は市内に拠点を構えるメンテナンス業者に委託する。
今月下旬から、要望を受けた順に住民らの視察を受け入れている。amp社の担当者は「景観悪化などを真摯に受け止めており、住民との対話を継続する」と説明した。問い合わせは先達山太陽光発電所のホームページで受け付けている。■泥水流出
懸念の声
福島市によると、自然景観の悪化や泥水の流出を懸念する意見が現在も寄せられている。
amp社によると、太陽光パネルは表面が黒っぽく、まぶしさを抑える仕様にしたという。ただ、夕方になれば、ガラス面が西日を受けて反射しているように見えるとの指摘がある。
昨年6月に県道脇の沢から泥水があふれたのを受け、現在は発電所敷地の雨水を側溝から調整池に誘導し、安定的に排水できる設備を整えたという。amp社の担当者は「50年に一度とされる雨量に対応できる。緑化を急ぎ、保水機能も高めたい」と強調した。
市は1日、太陽光発電施設などの設置を規制する条例を施行した。既存の事業者にも安全対策を義務付けており、市の担当者は「適正な管理を求めていきたい」としている。