福島便り
東京電力福島第1原発事故に伴う除染土壌の再生利用事業の理解醸成へ、環境省が整備した広報施設「花の里
ながどろ
環境再生情報ひろば(ながどろひろば)」は25日、福島県飯舘村長泥地区に開所した。26日から一般公開する。
現地で開所式を行い、関係者がテープカットした。杉岡誠村長は「工事が完了している第4工区で、地力回復や試験栽培など農の再生への取り組みを本格化していく」とあいさつ。長泥行政区の高橋正弘区長は「全国の多くの方々に訪れてもらい、再生事業に理解を深めてほしい」と話した。
施設は鉄骨プレハブ造りで延べ床面積約100平方メートル。再生利用事業の概要や経緯のほか、村や地区の復興への歩みをパネルや映像で紹介している。隣接するビニールハウスは地区で栽培している花卉類を見学できる。開館時間は午前10時~午後4時。日、月曜と年末年始は休館。冬季は積雪状況に応じて閉める。トイレは通年開放する。
国は中間貯蔵施設に保管中の除染土壌について、2045年3月までに県外で最終処分すると法律で定めている。一部は全国の公共工事などに再利用する方針だが、理解醸成は進んでいない。環境省は大熊町に設けた「中間貯蔵事業情報センター」や長泥の施設を通して情報発信をさらに強化するとしている。