マイナ保険証を救急搬送時に活用 福島県の会津若松地方広域消防本部 28日から実証事業

  • [エリア]
マイナ保険証を救急搬送時に活用 福島県の会津若松地方広域消防本部 28日から実証事業

福島便り


福島県の会津若松地方広域消防本部は28日から、マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせた「マイナ保険証」を救急搬送時に活用する実証事業を始める。傷病者の病歴や服薬状況などを照会し正確な情報を得ることで、迅速な搬送と適切な処置につなげる。
実証事業は総務省消防庁が全国で行っている取り組みで、同消防本部は昨年に続き2回目の参加。管内全ての救急隊で実施する。
事業では傷病者から同意を得た後、救急隊員がマイナ保険証を専用の機器で読み取る。接続されているタブレット端末には名前や住所などの基礎情報のほか、受診歴や薬の処方歴、健康診断結果などが表示される。現場での観察結果に加え、取得した情報を総合的に判断し、適応する搬送先の選定に役立てる。
傷病者自身が慌てて思い出せないケースや会話が難しい状況でもマイナ保険証を通して的確な情報を素早く伝えられる。マイナ保険証を持っていない場合や情報閲覧に同意を得られない時は通常通りの救急活動を行う。
昨年は9月から11月までの2カ月間、事業を実施した。期間中にあった1526件の救急搬送のうち、マイナ保険証を活用できたのは160件だったという。金田浩一警防課総務主幹は「患者や隊員の負担軽減につながる未来あるもの。有効に活用できるようご協力いただきたい」と呼びかけた。(会津版)