福島便り
福島県のいわき市中部工業団地の齊組工業(斉藤修一社長)に勤務するベトナム人技能実習生のグエン・ゴック・トアンさん(27)は建築鉄骨製品検査技術者試験に今年1月合格した。トアンさんは「将来的には日本で継続して働きたい。そのためにできることに全力で取り組む」と決意を新たにした。
トアンさんは2017(平成29)年10月から同社に技能実習生として勤務。2年前まで同社工場で橋梁鉄骨や建築鉄骨を製作していたが、社内評価を上げ、現在では品質管理業務と図面(CAD)業務を兼務している。
トアンさんは、2023(令和5)年10月に県内の外国人技能実習生で初となる2級鉄工技能士の資格を取得。2年前から挑戦してきた建築鉄骨製品検査技術者(学科・実技を実施)にもベトナム人としては県内初となる合格を果たした。3月末に登録証が届き今月から資格を有している。
同技術者は建築鉄骨を加工する事業所において必ず1人は必要な資格で、建築鉄骨の検査を行う上で重要な役割を担う。一般社団法人鉄骨技術者教育センター(本部・東京都)が主体となり試験を実施している。
トアンさんを試験へ向けた研修会などで指導してきた講師の鷺扶士夫さん(76)は、「真面目な性格で勉強にも熱心。今後も別の資格取得にも挑戦してほしい」と話した。
トアンさんは「最初は日本語を覚えるのも大変だったが、支えてくれた仲間、家族のおかけでがんばることができた。次もがんばりたい」と笑顔を見せた。(いわき版)