デンソー決勝進出逃す バレーSVリーグ女子プレーオフ 福島県郡山市移転1年目は4強で終戦

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デンソー決勝進出逃す バレーSVリーグ女子プレーオフ 福島県郡山市移転1年目は4強で終戦

福島便り


バレーボールの大同生命SVリーグ女子の福島デンソーエアリービーズは27日、大阪府枚方市のパナソニックアリーナで大阪マーヴェラスとのプレーオフ(PO)準決勝第3戦に臨み、0―3で敗れた。1勝2敗で決勝進出を逃し、ベスト4で今季の戦いを終えた。
デンソーは第1セット、モンチベレル・ロザマリアやコネオ・アマンダのスパイクで加点したが、相手の多彩な攻撃を止められずに17―25で落とした。
第2セットは序盤、ロザマリアや横山真奈の攻撃で一時リードを奪ったものの、中盤以降に失速。20―25で連取を許した。第3セットは中盤の6連続失点が響き、12―25と最後まで立て直せなかった。■来年こそ「頂」を
初代女王を目指す挑戦に幕が下りた。福島デンソーエアリービーズはレギュラーシーズン(RS)1位の大阪Mにストレート負け。強豪に先勝しながら2連敗を喫し、福島県郡山市移転1年目を4強で終えた。RSでは序盤に長期連勝を遂げて首位に立ち、4位で進んだPOでも随所に持ち味を発揮した。選手たちは「来季こそ『頂(てっぺん)』」と涙を拭いた。
セットカウント0―2の第3セット、スコア12―24。相手選手の鋭いサーブがコートのライン際に落ちた。レフェリーが「ボールイン」を示し、熱戦に終止符が打たれた。大阪Mの歓喜の輪を横目に、敗退が決まったデンソーの選手は涙を抑えられなかった。
先に1勝しながらも、決勝には届かなかった。辻健志監督は「何が足りなかったのか。まだ答えは見つからない」とした上で、「大阪Mの対応力や勢いに少し浮き足立ってしまった」と3戦の反省を口にした。
昨年夏のパリ五輪を戦った福留慧美、中元南ら2023(令和5)年度の代表登録メンバー4人が退団や引退で去り、若い顔触れで今季を迎えた。練習拠点の愛知県と、ホーム戦の舞台となる福島県を行き来する条件も「言い訳にはしない」と決め、開幕前から豊富な練習量で心技体を磨いた。
サーブで崩し、ブロックで得点する「サーブアンドブロック」で開幕9連勝と走り、疲労が蓄積した終盤こそ負けが込んだが、POでは強みを取り戻した。郡山市で開催された準々決勝を2連勝で制し、勢いづいて準決勝に進出。昨季の5位を上回った。
主将の川畑遥奈は試合後の記者会見で「経験値が少ないメンバーだったが、勝ちたい気持ちは昨季より強かった」と胸を張った。来季の目標を問われ「優勝」の一言に力を込めた。■敵地に大勢のファン「感謝しかない」
会場には福島県や愛知県などから多くのデンソーファンが駆け付け、声を振り絞った。
今季からファンになった福島市の公務員中山勲さん(58)は試合後、選手と共に涙に暮れた。福島県の復興や活性化に貢献するとのチームの姿勢、選手の懸命なプレーに何度も心を打たれた。「準決勝まで連れてきてくれて感謝しかない。お疲れさまと伝えたい」とたたえた。本拠地移転前から応援していた同市の50代公務員男性も大粒の涙を流した。「悔しさを糧に、来季は『頂(てっぺん)』に行くぞ」とエールを送った。