福島便り
福島県郡山市のこおりやま文学の森資料館の開館25周年記念企画展「宮本百合子
その目に映るもの」は26日、同館で開幕した。原稿、書籍、作品掲載雑誌、ペン先やビアジョッキといった遺品など、収蔵する貴重な資料約70点を展示している。6月15日まで。
プロレタリア作家の宮本百合子(本名・中條ユリ)は安積開拓の功労者・中條政恒を祖父に持つ。東京で生まれ育ち、幼少期に開成山の祖母の家に遊びに来ていた。
会場には旧桑野村を舞台とした17歳のデビュー作「貧しき人々の群」や政恒がモデルの「三郎爺」、郡山で迎えた終戦時の様子をつづった「播州平野」などの作品にまつわる資料が並ぶ。戦時中に厳しい弾圧を受けながら残した著書なども紹介し、百合子の生涯を振り返る。隣接する久米正雄記念館では百合子の作品をパネルで紹介している。
月曜休館(祝日の場合は翌日。5月6日は開館)。時間は午前10時から午後5時まで。入場料は一般200円、高校・大学生ら100円。(郡山版)