逆走恐れIC 福島県内8カ所 「平面交差」県警が緊急点検

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逆走恐れIC 福島県内8カ所 「平面交差」県警が緊急点検

福島便り


栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で26日夜に乗用車が逆走するなどして13人が死傷した多重事故を受け、福島県警は28日、誤進入による逆走の危険性があるインターチェンジ(IC)が県内に8カ所あるとして路面表示や標識の緊急点検に着手した。那須塩原の事故で逆走車が進入した可能性が高い黒磯板室ICは「平面交差」と呼ばれる構造。県内の平面交差の8ICでも逆走による重大事故が発生しかねず、現状の対策で十分かどうか関係機関との協議を急ぐ。
県警によると、県内の高速道路・自動車専用道路にある平面交差の8ICは【図】の通り。常磐自動車道は新地、常磐双葉、大熊、磐越自動車道は西会津と田村スマート、東北中央自動車道「相馬福島道路」は伊達中央と霊山、あぶくま高原道路は石川母畑。いずれのICも、本線に合流するため平面交差を通る必要がある。
このうち、相馬福島道路・霊山ICの平面交差は、運転手の目に付きやすい場所に進行方向を明記した表示板があり、走行すべきレーンの路面を色分けしてある。通行車両は一時停止した後、朱色の路面表示に従って右折して本線に向かうが、構造的には左折が可能で青色の路面を走行すると逆走となる。路面表示の一部は経年劣化などにより消えかかっており、夜間は特に視認性が良くない。
県警高速交通隊は28日、逆走の危険性がある地点で路面表示や標識が見えづらい状態になっていないかを確認した。5月2日に霊山ICで道路管理者の国土交通省、東日本高速道路(ネクスコ東日本)など交通関係団体と緊急点検を実施する。運転手がより視認しやすい路面表示や標識に改善していくことを視野に対応を協議する。早急な改善が必要であれば、他の7ICでも対策を講じたい考え。■県内の逆走事案
年間で15件前後
県警によると、2022(令和4)年以降に県内の高速道路などで起きた逆走事案数は【グラフ】の通り。各年とも15件前後で推移しているが、人身事故は発生していない。
ただ、大型連休中は交通量が増大し、不慣れな道を走行するケースもある。県警は逆走が起きる可能性があるとしてパトロールや取り締まりを強化している。【逆走事故を防ぐポイント】(1)逆走情報を見聞きしたら、速度を落とし十分な車間距離を取り走行(2)逆走車を前方に発見したら、衝突を避けるよう注意して走行(逆走車は追い越し車線を走行してくる傾向)(3)同乗者から110番するか、最寄りのサービスエリアなどで非常電話から通報【逆走してしまったら】(1)近くの安全な場所に停車し、ハザードランプを点灯(中央分離帯が左側、標識が裏側の場合は逆走の可能性)(2)ガードレールの外側など安全な場所に避難(車の向きは、そのままで)(3)110番や非常電話で通報【目的のICを通り過ぎてしまったら】(1)そのまま走行し次のICで降りる(高速道路でのUターンやバックは厳禁)(2)IC出口で料金所スタッフに通告(目的のICに戻れるよう案内してくれる)