福島便り
通常学級に在籍しながら必要に応じて個別授業を受ける「通級指導」で、福島市は今年度、専門教員が近隣の各校を巡回して授業に出向く取り組みを本格化させる。児童生徒が個別授業のたびに、拠点校まで通っていた負担を解消するのが目的。木幡浩市長が24日の定例会見で発表し、県内のモデルケースとして全市的に推進する考えを強調した。
市はこれまで、通級担当の教員を置く市立の小学校6校、中学校3校を拠点校「通級指導教室」としている。今年度から拠点校のうち、小学校の蓬莱、岡山、平野、鳥川を、中学校の信陵を巡回型に対応させ、近隣の通級指導をカバーする。巡回型の対象となる児童生徒は161人に上る。2026(令和8)年度には一部の学習内容を除いて、すべての拠点校を巡回型とする。
従来の通級指導には、平日の保護者の送迎が伴うため、時間的な制約から、出席を諦めるケースもあるという。該当者は自閉症や学習障害、注意欠陥多動性障害などを抱える子どもで、今年度は全体で398人。約10年前と比べて2倍となっている。
今年度に拠点校からの巡回型通級指導が始まる学校は次の通り。
▽蓬莱小=杉妻小、飯野小、松陵義務教育学校▽岡山小=鎌田小、瀬上小▽平野小=北沢又小、笹谷小、飯坂小、湯野小▽鳥川小=吉井田小、荒井小、大森小▽信陵中=福島四中、清水中、野田中、吾妻中、平野中、西根中、北信中(県北版)