福島便り
福島県古殿町のシンボル鎌倉岳(669メートル)で長年、登山道の整備に取り組んできた「鎌倉岳観光協会」が今年度末で解散する。会員の高齢化が進み安全な作業が難しくなったという。4月29日、同協会主催では最後の山開きが現地で行われ、多くの登山客が集まった。
鎌倉岳観光協会は鎌倉岳を活用した地域振興を目的に1989(平成元)年に設立された。麓の上松川地区の住民で構成し、登山道や遊歩道の草刈り、足場の整備などを37年間にわたり担ってきた。
一方で、渡辺洋一会長(72)によると現在の会員は全員が70歳を超え、作業のために重い草刈り機を抱えて登山道を登るのが難しくなっているという。後継者も不足しており、年度末での解散を決めた。
29日の山開きには各地から100人超が参加。神事で安全を祈願した後、恒例となった紅白餅や豚汁の振る舞いを行い、栄養を補給した登山者が続々と山頂を目指して登っていった。
式では渡辺会長が「(協会の)解散を申し訳なく思う。今日は散策を楽しんでいって」とあいさつ。岡部光徳町長は「鎌倉岳はこれからも残る。この山を愛してもらい、来年も足を運んでほしい」と呼びかけていた。(県南版)