福島便り
福島県郡山市の城清里仲(せりな)さん(40)は市内で108種のブルーベリーを栽培している。独学で5年間植え続けた苗は約2000本に増え、見頃を迎えた。5日に市内片平町のベリーズパーク郡山で「ブルーベリーのお花見まるしぇ」を催す。「癒やしの空間を届けたい」と準備に励んでいる。
大学を卒業し、東京都で助産師をしていた。結婚後、20代で卵巣にがんが見つかった。抗がん剤治療を乗り越え、現在は高校生1人と小学生2人の母として奮闘している。
第2子出産後の2016(平成28)年ごろ、産後うつに悩まされた。家族で三春町のブルーベリー農園を訪ねたのが転機になった。大空の下で自然に囲まれ、気持ちが安らいだ。家族が喜んでブルーベリーを味わう姿が何よりうれしかった。「同じ悩みを持つ人に身も心も満たされる体験を提供したい」と就農を決意した。
県内外の専門家を訪ね、甘さを引き出す栽培法を学んだ。2021(令和3)年にベリーズパーク郡山を開園し、ブルーベリー狩りやカフェなど楽しめる場所を提供している。
5日のまるしぇは入場無料。時間は正午から午後4時まで。ブルーベリーのスイーツのほか、チキン料理のキッチンカーやハンドメイド作品も並ぶ。城さんは「家族みんなで遊びに来てほしい」と来場を呼びかけている。(郡山版)