福島便り
福島県白河市の市民ランナー坂上稔さん(62)は、マラソンの世界主要6大会での完走を11年がかりで果たした。4月27日、イギリスのロンドンマラソンを4時間29分1秒で走り切り、国際的な認定機関から「シックススター」の称号を得た。
2014(平成26)年に「ワールドマラソンメジャーズ」を構成する世界6大会への挑戦を決意。同年に出場したドイツ・ベルリンマラソンを完走した。その後、東京、アメリカのシカゴとボストン、ニューヨークで完走を重ねた。
王手をかけた状態で昨年4月のロンドンに挑む予定だったが、膝を痛めて出場を断念。けがが癒えた後、地道な練習を続け、念願をかなえた。レース中は暑さに苦しみながらも「支えてくれた周囲の顔が浮かび涙がにじんだ」と振り返り、万感の思いでフィニッシュテープを切ったという。
坂上さんは白河二中で本格的に陸上を始め、高校卒業後も続けた。市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)では白河市チームの選手として9回出場した。ランナーズマイスターや食生活アドバイザーの資格も持っている。
現在、単身赴任する横浜市でマラソン練習会や教室を開催しており、「今後は今までの経験を生かし、福島県陸上の競技力向上と健康増進の一翼を担いたい」との夢を抱く。
一方でマラソン主要大会はオーストラリア・シドニー、中国・上海、南アフリカ・ケープタウンが追加される見込みで、「ここまできたらナインスターも目指す」と意欲的だ。(県南版)