福島便り
福島市のJR福島駅西口駅前にあったイトーヨーカドー福島店は6日、閉店から1年となる。建物の解体工事が本格化する。跡地利用の在り方は未定のままで、市民からは早期の具体化を求める声が上がる。
4月に始まった解体工事では2万平方メートルを超える敷地の周辺が囲いで覆われた。工事を担う業者によると、5月末~6月初旬ごろには建物に足場が組まれ、解体が進む見通し。工期は来年3月31日までの予定。
土地・建物を所有する不動産大手ヒューリック(東京都)は跡地利用について「あらゆる可能性を含め検討中」としており、具体策は明らかになっていない。
市によると、福島駅西口駅前周辺は福島店閉店前後で通行量が約3割減少した。福島店跡地に隣接する場所で紳士服店を営む男性は人の流れの変化を痛感しており、「建物の解体で更地になったら、さらに寂しくなる。跡地利用が早く決まってほしい」と望む。有識者や市民でつくる福島駅周辺まちづくり検討会は「一体的・複合的な開発が望ましい」とする検討報告書をまとめている。
福島店は店舗を運営していたイトーヨーカ堂(東京都)の運営合理化策として閉店が決まり、昨年5月6日に営業を終了。その後、今年3月末まで月決めと時間貸しの駐車場として利用されていた。