福島便り
東日本大震災からの復興の歩みや、自然と共生する地域の魅力を発信するイベント「FUJINUMA
GREEN
DAYs」が4日、福島県須賀川市長沼の藤沼湖自然公園で開催された。約3千人が雄大な自然の中で食や文化、キャンプなどを堪能した。
震災では、農業用ダム「藤沼湖」の決壊により甚大な被害が出た。震災や少子高齢化を乗り越える姿を広く発信しようと、多くの人出を見込める大型連休に企画した。来場者は復旧が進み、入山可能となった高土山に登り、住民が復興の象徴としてきた「奇跡のあじさい」の取り組みを伝える映像を鑑賞した。湖面を望む芝生広場には、ランバイクなどで遊ぶ子どもの声が響いた。糸井火工(須賀川市)が手がけた花火が打ち上げられ、鎮魂の思いを共有した。
震災後に見送ってきた湖のレジャー利用を本格再開する予定だったが、天候を踏まえて中止した。それでも、湖畔で映画を上映する「レイクサイシネマ」など初の試みを取り入れた。主催した会社「おもふるハート」社長の深谷武雄社長は「多くの来場者と復興の思いをひとつにできた。これからも交流人口拡大のために続けていきたい」と話した。