福島便り
首都圏の中高生と五井平和財団によるプロジェクト「GOALs~学校協働SDGsチャレンジ~」のメンバーは3、4の両日、福島県浜通りを訪れた。中高生が東日本大震災や東京電力福島第一原発からの復興に向けた取り組みなどを学ぶ「福島スタディーツアー」(仮称)を11月に計画しており、成功に向けた事前学習を繰り広げた。
東京都、千葉県の5つの学校から計22人が参加した。初日はいわき市四倉町でオーガニックコットン生産から製品販売までを手掛ける「起点」を訪問した。酒井悠太社長(42)から説明を受け、収穫を終えた枝を除去した後に綿花の種まきに臨んだ。引き続き道の駅よつくら港を視察し、隣接するねぶた工房を見学した。
最終日は浪江町の震災遺構「請戸小」に赴き、小学校を襲った津波の恐ろしさを実感。双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館、大熊町の産業交流施設「CREVAおおくま」なども視察した。
プロジェクトに参加して3年目となる和田彩花さん(東京都調布市の晃華学園高1年)は「福島県を訪れる前は復興は終わっているものと思っていたが、(活動を通じて)課題がたくさんあることが分かった。実際に訪れることで、教科書だけでは分からない『今の福島』を知ることができる」と被災地ツアーの意義を語った。(いわき版)